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Email Security2026年3月25日読了 62 views

メールセキュリティ:Cloudflare Mail Security と PhishNetの活用術

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所属: Cloudflare Japan 株式会社|得意分野: Cloudflare のこと

AI時代のフィッシング対策:防御をすり抜ける「1通」をどう防ぐ? Cloudflare メールセキュリティとPhishNetの活用術

https://developers.cloudflare.com/cloudflare-one/email-security/settings/phish-submissions/

生成AIの登場により、私たちの業務効率は飛躍的に向上しました。しかし、それは攻撃者にとっても同じです。不自然な日本語や怪しいレイアウトのフィッシングメールは過去のものとなり、現在ではAIによって生成された極めて自然で、巧妙な文面のメールが企業の受信トレイを狙っています。

特に経営層や経理担当者を狙った BEC(ビジネスメール詐欺) は、取引先やCEOになりすまし、既存のセキュリティフィルターをすり抜けてくるケースが後を絶ちません。どんなに高度な防御システムを導入しても、100%防ぐことは難しいのが現実です。

では、防御壁をすり抜けてしまった「すり抜けメール(False Negative)」に対し、私たちはどう対処すべきでしょうか?

今回は、Cloudflareのメールセキュリティ機能の一つである、フィッシングレポート機能「PhishNet」を活用した、対応策をご紹介します。

「おかしい」と思ったら即報告:PhishNetアドオン

Cloudflareが提供する「PhishNet」は、Microsoft 365のOutlook と Google Workspace に統合できるアドオン機能です 。 導入されると、各メール画面の右上にCloudflareのロゴが出現し、ユーザーは不審なメールをワンクリックで報告できるようになります 。

報告の種類は以下の3つに分類されており、ユーザーが直感的に判断できるようになっています 。

・Spam(スパム): 受信したくないランダムな迷惑メール 。
・Bulk(バルク): マーケティングメールなど、もう受け取りたくない大量配信メール 。
・Phish(フィッシング): 詐欺、ハッキング、悪意があると疑われるメールはここで報告します 。

この「Phish」として認識されたメールが、システムが検知できなかった脅威(フォルスネガティブ)の可能性が高いものです 。

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専門チームによる「人」の目がAIを進化させる

セキュリティ担当者が最も頭を悩ませるのは、「ユーザーから報告されたメールが本当に危険なのか、単なる誤解なのか」の判断や継続する運用の負荷です。

PhishNetを通じて報告されたメールは、単に隔離されるだけではありません。Cloudflareの専門チームによって検閲・対応が行われます 。

・現場の気づき: ユーザーが「怪しい」と感じて報告。
・専門家の分析: 専門チームが内容を精査。
・エンジンの進化: 分析結果が学習エンジンにフィードバックされ、同様の脅威に対する検知精度が向上。

このサイクルが回ることで、AIによる防御システムはより賢くなり、誤検知(False Positive)を減らしつつ、未知の脅威への対応力を高めていくことができるのです。

導入のベストプラクティス:まずは「目利き」ができる層から

PhishNetの導入は、Microsoft 365、Google Workspace の管理者権限を用いて行いますが、組織全体に一律で展開する必要はありません 。

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いきなり全社員に展開すると、誤操作による報告や、判断がつかないメールの報告が殺到する可能性があります。そのため、以下のような段階的な展開が推奨されています。

・BECのリスクが高いユーザーに絞る: 役員や経理担当など、標的になりやすい層 。
・管理側の人間で運用する: メールの真偽をある程度判断できるIT部門やセキュリティ担当者 。

「取捨選択が難しいユーザーに展開しない」ことで、ノイズを減らし、本当に脅威となる「フォルスネガティブ」を正確に汲み上げることが運用の鍵となります 。

まとめ

現在、急速に進化をする AIによる攻撃の高度化に対抗するには、ツールによる自動防御だけでなく、エンドユーザーの「違和感」を吸い上げ、それを専門家の知見で検証し、システムに還流させるエコシステムも必要です。

CloudflareのPhishNetは、Outlook や Google という日常のツールを通じて、この高度なセキュリティサイクルをシンプルに実現します。すり抜けてくる脅威へのセキュリティパートナーとして、このレポート機能の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

免責事項

本記事は Cloudflare Japan のソリューションエンジニアが技術的な知見の共有を目的として個人の立場で執筆したものです。記事の内容は執筆時点の情報および執筆者の主観的な見解を含んでおり、Cloudflare, Inc. の公式な見解・推奨・仕様保証を構成するものではありません。また、記載された構成や手順がすべてのお客様環境で同様に適用できることを保証するものでもありません。製品の正式な仕様や技術サポートについては、Cloudflare 公式ドキュメントまたは担当チームにお問い合わせください。